効果的なマーケティングのオートメーション化は、オムニチャネル・カスタマーエンゲージメント戦略の成功に欠かすことはできません。
オムニチャネル・マーケティングとマルチチャネル・マーケティングを比べ、大きな規模で繋がりのあるカスタマーエクスペリエンスを作りあげるのに必要なツールを見ていきましょう。
オムニチャネル・カスタマーエンゲージメントが重要な理由
毎日大量の広告と無関係なメッセージが届くことに、顧客は嫌気が差し始めています。
自分に関係のないメッセージは、54%の人が迷惑だと感じ、47%の人は無視しています。これが理由で、コロナ禍のロックダウン中に5人に1人が、好きなブランドを変えました。
こちらの表は、2020年のカスタマーエンゲージメント レポートです。顧客が重要だと思うコミュニケーションの種類と実際に企業から提供されているものに大きな差があることを表しています。
49%の人が、毎週関連するコミュニケーションを取ってもいいと思っているにも関わらず、驚くべきことに74%の人が、ブランドからパーソナライズされてないメッセージを受け取っています。また、31%の人は、好みを理解しているビジネスとエンゲージする傾向があります。
弊社は長らく、「適切なメッセージを、適切なチャネルで、適切なタイミングに」とお伝えしてきましたが、お客様のビジネスは何が間違っているのでしょう?
パーソナライズされ・文脈を踏まえた顧客とのコミュニケーションを実現するには、デジタルチャネルへの大規模なシフトが必要ですが、パンデミックの拡大がそれを大きく促進させました。
現在私たちは、カスタマージャーニーの各ステージにおいて、様々なテクノロジーや大量の顧客データを駆使し、増加するデジタルチャネルを横断して、ブランドのモーメンツを適切に届けなければなりません。
私たちが理解していること
- ブランドとの全ての接点で、顧客は思いやりのある人間的な繋がりを求めている。
- チャネルの変化と、ステップを踏まないカスタマージャーニーはニューノーマル。
- 顧客の行動とチャネルの好みは常に変化する。
- デモグラフィックとセグメントの異なる顧客は、何についてコミュニケーションを取りたいか、またどのチャネルでコミュニケーションしたいか、についての期待値が大きく異なる。
このような考慮とニュアンスに反して、多くの企業ではオムニチャネル・カスタマーエンゲージメント戦略がありません。さらに、今だにマルチチャネル(もしくはシングルチャネル)アプローチをとっています。
その結果として、つながりがなく、パーソナライズされていなメッセージにより悪いカスタマーエクスペリエンスがもたらされ、顧客の獲得やコンバージョン、維持に悪影響を与えています。
オムニチャネル・マーケティングとマルチチャネル・マーケティング
オムニチャネル・カスタマーエンゲージメントとは、大規模でつながりのあるカスタマーエクスペリエンスを構築することです。まずは、オムニチャネル・デジタルマーケティングとマルチチャネル・マーケティングの違いを理解することから始まります。
マルチチャネル・マーケティングとは
マルチチャネル・マーケティングでは、ブランドが複数のチャネルを使い顧客とエンゲージしますが、これらのチャネル間の統合は行われません。
- お客様の企業または商品がコミュニケーションの中心である。
- 複数の異なるチャネルでコミュニケーションを取っているが、各チャネルが独自の戦略とゴールを持ち、個別にコミュニケーションを取っている。
- 複数のサービスプロバイダー/パートナーを利用し複数のチャネルで個別にコミュニケーションを取っている(1つの提供者ではSMS、別の提供者でメールなど)。このサイロ化されたアプローチでは、効率的に顧客の行動を把握できない。
- 提供しているメッセージとエクスペリエンスがチャネル間で一致していない。
- 異なるデジタルチャネルに移行した際、適切な、文脈を踏まえたメッセージで顧客をサポートすることができない
オムニチャネル・マーケティングのオートメーションとは
オムニチャネル・マーケティングはマルチチャネル・マーケティングといくつかの点で大きく異なります。
- 顧客が、カスタマーエンゲージメント戦略の中心。
- 複数の異なるチャネルでコミュニケーションを取っているが、一体化した戦略で個別の顧客を中心に展開できるようチャネルが統合されている。
- 単独のサービスプロバイダー/パートナーと組むことで、統合されたデータにより顧客の行動を全体的に把握した上で、複数の異なるチャネルを活用したコミュニケーションを実現している。
- 顧客インサイトを使い、全てのチャネルとデバイスで一貫性がある、パーソナライズされたエクスペリエンスを提供している。.
- 顧客がブランドと持つ各タッチポイントに応じて、一貫性のある、パーソナライズされたメッセージが提供されている。
オムニチャネル・マーケティングの大きな違いは、サイロをなくすことです。オムニチャネルは、顧客データの重要な点を利用します。各顧客が使用しているチャネルまたはカスタマージャーニーのどのステージにあるかに関わらず、一貫性があり、素晴らしいエクスペリエンスを提供するために重要です。
一方、自社で個別のメッセージを各顧客とチャネルのためにパーソナライズするのは、非常に難しく時間も掛かります。
それでは、企業がパーソナライズされ、文脈に沿ったエクスペリエンスを大規模に提供するにはどうしたら良いでしょうか?
エンゲージメントを最大化し、運用の労力を最小限に
オムニチャネル・カスタマーエンゲージメントのオートメーション化は、個々の顧客のカスタマージャーニーを通したエクスペリエンスを向上させるのに大切なことです。これは同時に、マーケターの労力を削減し、エンゲージメント戦略とその最適化に集中出来るようにします。
「オムニチャネル・マーケティングのオートメーションは、顧客データやセグメント、ターゲットメッセージをまとめ、全てのカスタマージャーニーの各ステージでエンゲージメントの分析を行うことができます。また、予測ではなく証拠をもとに変更することができます。
オムニチャネル・マーケティングのオートメーションハブは、全てのタッチポイントで得られる顧客データを統合し、ワークフロー全体を支えるソリューションです。これにより、次のことが可能になります。
- デモグラフィック、場所、行動、イベントなどの統合データを元に、セグメントまたはターゲットを絞ったキャンペーンを実施。単一のプロバイダーと統合されたデータの活用により、例えば、アプリを含む複数のチャネルを横断した顧客の挙動や行動をトリガーとして、メールを送ることなどができる。
- チャット、モバイルアプリから、SMS、RCS、メールなど、さまざまなチャネルを横断したオムニチャネル・コミュニケーションを、パーソナライズし自動化する。
- 効率性を測り分析することで、提供するエクスペリエンスを改善し続ける。
ブラジルのフィンテック企業であるJuros Baixosのようなブランドは、顧客の各状況/コンテキストに応じて即時にリアルタイムのガイドを提供するために、オムニチャネルのマーケティング・オートメーションを活用しています。
Infobipのオムニチャネル・カスタマーエンゲージメントハブ「Moments」は、たった1つのオートメーションフローで、このフィンテック企業が、複数のチャネルを横断し・先回りし・特定のイベントをトリガーとして顧客とのコミュニケーションを開始することを可能にしました。
「Momentsのおかげで、適切なタイミングで私たちの顧客とつながることができます。カスタマイズできる変数やタグを通して、セグメンテーションの力が、顧客との各エンゲージメントをパーソナライズしてくれます。」
Arthur Bonzi
(Juros Baixos共同創立者&COO)
オムニチャネル・カスタマーエンゲージメントの例
さまざまなカスタマージャーニーの過程で、エンゲージメントを向上するために、オムニチャネルのオートメーションがどこで使えるか見ていきましょう。例えば、カート放棄への対応です。
顧客がパソコン上であなたのサイトを閲覧しているとします。商品をカートに入れましたが、すぐに他の作業へ移ってしまいました。
カート放棄に対応したオートメーションシーケンスの設定後は、いくつかのオプションが使えます:
- SMS、RCM、プッシュ通知:顧客がオプトインしている場合、カートに商品が残っている旨のリマインダーを同日に送信。
- Eメール:控えめなアプローチ。商品についてのリマインダーを送り、ヘルプを提供。
- SMS:商品の割引コードを送信。または、送料無料をオファーし顧客を呼び戻す。
オムニチャネル・アプローチの利点は、特定の顧客が他のデバイス上で後日サイトに戻ってきた場合に、カート内に商品を入れたあの顧客と同じ人物だと認識できることです。また事前に設定することで、最初のプッシュ通知が読まれなかった場合、他のチャネルで自動的にメッセージが再送信されるよう、フォールバックを使用できます。
ヒント:弊社のオムニチャネル・マーケティングオートメーション・ガイドをダウンロードし、その他の具体例と活用事例をご確認ください。
オムニチャネル・カスタマーエンゲージメントを最適化
この記事で見てきたように、カスタマイズされたカスターエンゲージメントを簡単に大規模で実現させる特効薬はありません。
自動化されたオムニチャネル・マーケティングを導入しても、マーケティング担当者は常にテストし、計測し、戦略の最適化を学び、提供するカスタマーエクスペリエンスの向上に継続的に取り組まなければなりません。
その一方で、オムニチャネル・カスタマーエンゲージメントハブは、常にマーケティングプログラムを改善し、適切で、タイムリーに、パーソナライズされたメッセージを提供するために必要な、統合されたデータとツールをマーケティング担当者に提供することができます。
そのため、様々な業界の企業が、カスタマーエンゲージメント戦略を強化するMomentsのようなツールに頼っているのです。
オムニチャネル・カスタマーエンゲージメントのビジネスにおける利点や活用事例の詳細は、オムニチャネル・マーケィングオートメーション・ガイドをダウンロードしてください。